タンザニアのコーヒーについて
その味わいを「品種」や「精製」など具体的な要因と合わせて解説します。
タンザニアのコーヒーの味わい

アフリカ地域特有のしっかりとした果実感ある味わいを持ちつスッキリとした飲み口が特徴のタンザニアのコーヒー。
詳細について、品種、標高、精製、等級の4つの観点から解説します。
タンザニアのコーヒーの品種

タンザニアで主に生産される品種は以下の4つ
アラビカの二大品種と呼ばれるのがこのブルボン。
味わいは甘みと酸味のバランスが良く、まろやかでコクがあります。
カッピングプロファイル
レモン、シトラス、グレープフルーツ
インドで生まれたティピカの突然変異種。イギリス人農園主Kentさん所有の農園で発見された事にちなんで名付けられ、さび病に耐性があるのが特徴。
出典:アタカ通商様HP
カッピングプロファイル
チョコレート、チェリー、ハニー
ウガンダやタンザニアで最初に植えられた品種と言われている。マラウィで最初に植えられた品種でもある。元々はエジンバラの植物園にあったコーヒーの木。かつてはブラジルでも広く栽培されていた。
出典:Roast Design Coffee Blog様
カッピングプロファイル
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アラビカの二大品種と呼ばれ、原種とも言われる品種。
ティピカの中にも数種類のティピカがあり、生育している場所の特殊な地理条件によって区別され・・・ジャマイカで育成されているものをブルーマウンテンとしている。
出典:Roast Design Coffee Blog様
カッピングプロファイル
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ヴィクトリア湖周辺で栽培されるロブスタ種を除き、主要品種のほとんどがアラビカ種で、アフリカ地域特有のどっしりとした酸と甘みを感じられる。

日本で知名度の高いキリマンジャロもこのタンザニアのコーヒーを指していますが、タンザニアのコーヒー生産量は全体のわずか1%程度と意外に少ない。
タンザニアのコーヒー生産地の標高

コーヒーを栽培する際、一般的に標高が高い方良いとされ、朝晩の寒暖差がある事で、実が詰まった良質なコーヒーになる事が知られています。
では、タンザニアの標高はどうなっているのでしょうか。
ケニアの主要な生産地の標高の平均は1600m程度。そして、最も高い標高はキリマンジャロの2500mです。
2000m超えの地域も点在しており標高が高いほうだと言えます。
タンザニアで行われる主な精製方法

タンザニアで行われる精製方法はウォッシュドと呼ばれる水洗式の方法
収穫したコーヒーチェリーの果肉を除去して、発酵槽に浸けてから洗浄する事で、果肉を全て取り除いてから乾燥させる方法。
この精製方法は他の方法と比べ、ゆっくり均一に乾燥させられるので失敗が少なく、クリアな味わいになりますが、発酵に使われた水は有害な可能性がある事や、水源が確保された地域でしか行えないなどの問題があります。

なお、ヴィクトリア湖周辺で栽培されているロブスタ種と一部のアラビカ種はナチュラルで精製されています。
等級はどのように決まるのか

タンザニアの等級はスクリーン(豆の大きさ)で決められています。
等級 | スクリーンサイズ(豆の大きさ) |
AA | 17~18(6.75㎜以上) |
A | 16~17(6㎜〜6.75㎜) |
B | 15~16(6.15㎜〜6.25㎜) |
AB | 15〜17 |
C | 14〜15(5.9㎜〜6.15㎜) |
PB | 小粒豆の中でも丸豆だけ集めた物 |
タンザニアの他にケニアやコロンビアでもスクリーンサイズ(豆の大きさ)で等級が決められていますが、今のところ味との因果関係は極めて薄いとされているので、特別な理由がない場合はABなどの等級の低い安価なものがおすすめです。(当記事中で紹介させて頂いた暮らしと珈琲の動画「コーヒーをサイズ別に同じ条件で3種類の見比べてみたら驚きが止まらない」では因果関係ありとの報告)

FINE、GOOD、FAIR GOOD…VERY POORなど豆の品質でも分類されています。
タンザニアの「キリマンジャロ」とは

日本でも人気の高いキリマンジャロの語源はタンザニアの山の名前。
キリマンジャロの定義
全国公正取引協議会連合会によると
キリマンジャロとは
出典:全国公正取引協議会連合会公式サイト
タンザニアにて生産されたアラビカコーヒー豆をいう。ただし、ブコバ地区でとれるアラビカコーヒー豆は含まない。
となっており、ロブスタ種の栽培を中心とするブコバ地区で栽培されるものを除き、タンザニア産のアラビカ種のコーヒー豆はキリマンジャロを冠することができるとの事。

キリマンジャロ地域で採れたものだけがキリマンジャロと呼ばれる訳ではない事は意外。
まとめ
タンザニアのコーヒーの味わいについて、解説しました。
- ブルボン
- ケント
- ニアサ
- ティピカ(ブルーマウンテン)
アフリカ地域特有の強い果実感とウォッシュド精製によるクリアな飲み口が特徴。
生産地の標高は1050m〜2500
2000m超えの地域も点在し高いといえる。
- ウォッシュド(水洗式)
失敗が少なくクリアな味わいとなるが、発酵水や大量の水を必要とする事など、環境への負荷が大きい。
- 豆の大きさ(スケール)による等級分け
AA(6.75㎜)~C(5.9㎜)の他にPBやE等、細かく等級がわけられている。
- キリマンジャロの語源
タンザニアのキリマンジャロという山の名前。
- キリマンジャロの定義
タンザニアにて生産されたアラビカコーヒー豆をいう。ただし、ブコバ地区でとれるアラビカコーヒー豆は含まない。
今回説明した4つの項目(とおまけ1つ)が味わいに大きく関わり、生産地ごとの違いを生み出しています。
タンザニアのコーヒーを選ぶ時の参考にしてくださいね。
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