コーヒー焙煎の浅煎りについて、GW式とPS式の二つを比較しながら検証します。
浅煎りの焙煎を分析する
国内で出版されている専門書やメディアでは、コーヒーの焙煎、特に浅煎りに特化して記述されているものは少ないのが実情です。逆に海外のロースター他、専門家が発信している情報には浅煎りに特化したものが多く見受けられます。
そこで実際に海外の専門家からレクチャーを受け、その情報を公開しているファナティック三神氏のコーヒー情報サイト「Roast Design Coffee Blog」より、以下の2つのアプローチを考察して比較していきます。
- George Howell氏が提唱する焙煎【GW式】
- Paul Songer氏が提唱する焙煎【PS式】
浅煎り焙煎パターン①GW式
GW式の味わいのポイントは・・・引き立つ濃厚な甘味とボディー
COE(カップオブエクセレンス)の創始にも関わり、近代高品質コーヒーの礎を築いた業界のレジェンドGeorge Howell氏が提唱した焙煎スタイルです。
- 外皮の早急な角質化を防ぐために100℃以下(100℃〜80℃)のボトム
- フレーバーを飛ばさず生焼けにしないため8〜9分で水抜き終了
- 水抜き終了から火力を上げ1分30秒以内に1ハゼ入り
- 1ハゼ後は排気(ダンパー)はニュートラルで、火力を下げる
- 1ハゼ後、豆の青臭く酸っぱい香りが落ち着いたら煎り止め
補足.GW式を解説しているファナティック三神氏によると・・・
180℃台で1ハゼに入ることが前提で、そこからプラス10〜15℃で煎り止め。この温度感は、5〜12kgの半熱風窯での焙煎を想定している、との事。
※温度はすべて豆温度を表示。
出典:Roast Design Coffee Blog(ファナティック三神氏)
この焙煎スタイルを検証で使うaillio(1キロ半熱風)に置き換えて修正したプロファイルがこちら。(投入量150g)
| 時間 | 温度 | 補足 |
| 投入 | 170℃(ドラム内温度) | 焙煎開始 |
| 1:00 | 80℃ | 中点 |
| 8:00 | 145℃ | 水抜き終了 |
| 9:30 | 160℃ | 1ハゼ |
| 11:00 | 170℃ | 煎り止め |
※投入温度はドラム内温度、他はすべて豆温度
aillioで150g焙煎した時の進行をGW式の5キロ以上の窯のプロファイルに置き換えると、豆温度で約20℃のひらきがあったのでそのまま20℃ずらしてプロファイルを作成。投入量が少ない点など突っ込みどころはありますが、そこはご愛嬌(笑)。

実際に焙煎したプロファイル。ボトム温度が少し高くなってしまったのと、水抜き終了から1ハゼまでが2分かかってしまったのでちょっと微妙ですが…
※筆者はゴールド(yellowing)は水抜き終了とは考えておらず、香りで判断しているため、8分の火力が上がっているポイントを水抜き終了としています。
浅煎り焙煎パターン②PS式
PS式の味わいのポイントは・・・際立つ酸味と軽やかなフレーバー
同氏もCOE(カップオブエクセレンス)の創始に関わり、生化学・熱力学を用いた科学的知見に基づき構築した焙煎アプローチはCOE審査会での基準焙煎となり、各ヘッドジャッジに伝授されています。そんなPaul Songer氏が提唱した焙煎スタイルです。
- 高温状態(ボトム110℃)を維持することで、豆表面の粒子化を促進し、質感の向上を図る
- 弱火を維持しつつ4〜5分でゴールドになるよう調整
- 7〜8分で1ハゼに入る(ゴールドから3分後)
- 11分前後で煎り止めるとミディアムレンジ(フルフレーバー)
補足.PS式を解説しているファナティック三神氏によると・・・
165℃くらいで1ハゼに入ることが前提で、1ハゼから2〜3分の170℃台で煎り止め。この温度感は、プロバットの1キロ窯での焙煎を想定している、との事。
※温度はすべて豆温度を表示。
出典:Roast Design Coffee Blog(ファナティック三神氏)
この焙煎スタイルを検証で使うaillio(1キロ半熱風)に置き換えて修正したプロファイルがこちら。(投入量150g)
| 時間 | 温度 | 補足 |
| 投入 | 230℃(ドラム内温度) | 焙煎開始 |
| 1:00 | 110℃ | 中点 |
| 4:00 | 135℃ | ゴールド |
| 7:00 | 160℃ | 1ハゼ |
| 10:30 | 175℃ | 煎り止め |
※投入温度はドラム内温度、他はすべて豆温度
PS式はプロバットの1キロ窯を想定したプロファイルということで、同じ1キロな分、ボトムやハゼのタイミングは近い感覚のプロファイルにしてみましたが…

実際に焙煎したプロファイル。ボトムが少し高くなった分前半の進行は早くなってしまいましたが、概ね狙い通りといった感じ。
それぞれの味わいの特徴

GWを間違えてJW書く痛恨のミス。笑
サンプルは共に
- エチオピアイルガチャフ
- ミディアムロースト(焙煎後の重量減少率は共に13%)
①GW式の味わい
- とろみのある質感
- 軽い酸味
- はっきりとした甘味
- 芳醇な甘さを伴う香り
②PS式の味わい
- さらりとした質感
- 強くハリのある酸味
- 雑味が少なく透明感のある味わい
- 軽くスッとした香り
基準のプロファイルから少しずつズレたものの、各焙煎方式の特徴は出せたかなと思います。
まとめ
以上、コーヒー焙煎の浅煎りの検証と考察について解説しました。
浅煎り焙煎パターン①GW式
- ボトム100℃〜80℃以下
- 8〜9分で水抜き終了
- 水抜き終了から1分半以内に1ハゼ
- そこから豆温度プラス10〜15℃で煎り止め
→ 味わいの特徴:引き立つ濃厚な甘味とボディー
浅煎り焙煎パターン②PS式
- ボトム温度110℃程度
- 4〜5分でゴールド
- ゴールドから3分で1ハゼ
- 豆温度170℃台の11分前後で煎り止め
→ 味わいの特徴:際立つ酸味と軽やかなフレーバー
GW式・PS式の一連の記述は「Roast Design Coffee Blog(ファナティック三神氏)」の記事を元に検証したものです。機材や技術の差でブレているところもありますので、参考程度にお考えください。

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