「コーヒー生豆を洗ってから焙煎する場合があるって本当?」
「洗う事でどんなメリットがあるの?」
水洗い焙煎のこんな疑問について検証、解説します。
コーヒーの水洗い焙煎とは何か
コーヒーを焙煎する際、一般的には洗わずにそのまま焙煎されます。
水洗い焙煎は、焙煎する時に洗ってから焙煎するのが特徴です。
料理をする前の野菜を洗う感覚で、コーヒーの生豆も洗うんだとか。
生豆を水洗いする目的
生豆を水洗いする目的は主に、汚れやカビを落としたり、チャフを除去するためです。
コーヒー生豆の汚れを落とすため
コーヒーの生豆は収穫後に精製されます。現地は日本のようにキレイな水で処理する訳ではありません。(ブラジルやエチオピアなど発展途上国がほとんど)そこで精製が終わった物がそのまま出荷される事になります。この事から生豆はある程度汚れている物だと言えます。この汚れを落とすのが水洗いの目的の一つです。
コーヒー生豆のチャフ(薄皮)を取る
コーヒーの生豆はチャフと呼ばれる薄皮で覆われています。
この薄皮が焙煎中に燃えることで、場合によっては燻臭(スモーク臭)の原因になったり、焙煎の方法によってはチャフが飛び散って汚れてしまいます。
水洗いをして研ぐことでこの薄皮を取る事ができます。
欠品豆が見分けやすくなる
お湯で水洗いしたり、浸したりする事で、目立たなかったカビなどの汚れが浮いてくるので、見つけやすくなります。(湯の温度が低いと菌が繁殖するので50℃の高温で洗うのが良いとの事。)
では、何故一般的に水洗いして焙煎される事が少ないのでしょうか。
コーヒーを水洗いするデメリット
コーヒー生豆を洗う事で考えられるデメリットの大部分は水に溶け出す成分への懸念です。
コーヒーの成分が抜ける
コーヒーの生豆に含まれる成分は水溶性のもの(カフェインやクロロゲン酸など)があり、水で洗う事でそれらの成分が溶け出してしまう可能性があります。
実際にカフェインレスコーヒーはカフェイン以外のコーヒーに含まれる水溶性物質を飽和状態になるまで溶かした水に漬ける事でカフェインだけをコーヒーから取り除くという方法があったりします。この事からも、水洗いをする事でコーヒーの成分が溶け出す可能性があると考えられそう。
焙煎の過程で菌やカビの殆どが死滅する
焙煎によってコーヒー豆は200℃以上に熱せられるため、殆どのカビや菌などは死滅するので、味はもちろん身体に害があるような事はありません。
デメリットというより、必要性が無いというのが一番多い見解な気がします。
実際に水洗いして焙煎してみた
水洗いの方法
50℃のお湯でザルとボールを使って、ゆすいで研ぐを5回ほど繰り返す。
洗い終わったら1分ほど湯に浸します。そうするとカビが浮いてくるので豆があるので、確認して取り除きましょう。
焙煎
- 使用する焙煎機は直火式
- 計測温度はドラム内温度
- 使用する豆はブラジルNo.2
水洗いをせず焙煎した場合、中煎りで13分〜15分のプロファイルで焙煎を行ってみます。
投入・191℃
焙煎開始
1:30・157℃
温度はまだまだ下がっていきます・本来はこの辺りで中点
3:00・147℃
水分が乾いてきた・中点はまだこない
6:00・157℃
4:30に中点から温度が上がり始めた・少し火力を上げる・水抜き
9:00・183℃
この後9:30で少し火力を落として、10:30・水抜き完了
12:00・210℃
10:30の時点で火力を上げる・煎り込み
15:00・232℃
14:10で1ハゼ・その後230℃に到達した時点で火力を下げる
17:30・235℃
煎り止め
直前17:10で2ハゼ
実際に焙煎してみて感じたのは、中点(温度が下がり切る)まで4分以上かかり、そのあとの温度の上がり方も緩やかだったので意図せず間延びした焙煎となりました。しっかり水分除去してから焙煎した方が良さそうですね。
実際に飲んでみた
後味がとてもクリア(というかほぼ無い)で余韻を感じませんでしたが、スキッとしたコーヒーが好きな方には良いかも。余韻が感じられない事から水洗いの際に高分子が溶け出しているのかもしれませんね。
すっと消えるような味わいで、とてもクリアな味わいでした。物足りないとも言えるかも。
まとめ
水洗い焙煎について考察、検証しましました。
水洗いする目的
良い点
- コーヒー生豆の汚れを落とす
- コーヒー生豆のチャフを取る
- 欠点豆を見つけやすくする
悪い点
- コーヒーの成分が抜ける
- そもそも焙煎で菌などは死滅するので洗う必要性が薄い
今回の記事はWAKOCOFFEEのオギハラさんの動画を参考にさせて頂きました↓
今回は以上となります。
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