解説していきます。
コーヒー焙煎における煎りムラとは
✔︎豆ごとの焙煎度にバラツキがある状態
煎りムラがあるコーヒーはどんな味わいなのか
- 生焼けが原因の収賄性のある酸味や渋みを感じる
- 焦げが原因の金属味のある苦みを感じる
- 程度によってはむしろ複雑な味わいになり良い場合も
極度の煎りムラは生焼けや焦げを併発するので良くありませんが、程度によっては複雑性を加味してポジティブに感じることも。
コーヒー焙煎で煎りムラになる原因
豆の攪拌が足りていない
✔︎攪拌が不足すると熱に部分なかたよりができてムラになる
撹拌が不足して鉄板などと接する機会が多いという事は、伝導熱の割合が増えるという事。
伝導熱の性質として・・・
- 豆表面に熱が加わりやすい
- 撹拌が不足する事で、熱源(鉄板からの熱)と接触する機会が減り、熱の加わり方に偏りができる
詳しくは、下記の動画を参照☟
この性質を利用して、あえて豆表面に熱を加えて、少し質感を重く(焦げのニュアンス)するアプローチもあったりします。
火力が不安定
✔︎簡易焙煎などで火力が不安定だとムラになりやすい
計器の付いていない熱源(家庭用コンロやカセットコンロ)の場合、感覚での火力調整となり、火力調整が不安定になりやすく、結果的に加熱にムラにができて、部分的に焦げや生焼けを招いてしまいます。
焙煎機専用の温度計を使えば、バラツキの少ない温度調節が可能になります☟
火力が強い
✔︎直火式や簡易焙煎の場合は火力が高いとムラになる
直火からの輻射熱や、簡易焙煎(鍋やフライパン)などの鉄板からの伝導熱は、高火力により焙煎の進行が早すぎると、偏りが出やすくなります。
対流熱優位な半熱風や熱風式の焙煎機は熱源との接触機会によるバラツキがでにくいので、この限りではありません。
ハンドピックができていない
✔︎ハンドピック (ソーティング)ができていない
焙煎前や焙煎後に欠品豆(※)がないか確認してはじく「ハンドピック」という工程。ここではじくべき欠点豆である未成熟豆や、他と比べてサイズが大きく違う豆、それにピーペリー(※2)などが残っていると、通常の豆と焙煎進行が違うのでムラになります。
(※)「欠品豆」とは
検品で気づかれずに混ざった状態の悪い豆、豆に混ざって混入するコーヒーの実などの異物のこと。ハンドピック(ハンドソーティング)はこれを取り除く作業のこと。詳しくはこちらパンダ珈琲様より引用
(※2)「ピーペリー」とは
通常、コーヒー豆(コーヒーノキの種)は1つの実に2つ入っています。
ピーペリーは通常2つある豆が1つしか入っておらず、丸く成長した物です。
味わいは良いなどと言われますが、大きさや形が通常の豆と異なるため、欠品豆としてはじく場合があります。
焙煎後、他の豆と比べて極端に焙煎がずれている物は未成熟豆や貝殻豆など、必然的に欠点豆の可能性が高いので、ムラになった物を取り除くのはかなり重要です。
コーヒー焙煎ムラにならないコツ
豆をしっかり攪拌する
✔︎豆をしっかり攪拌する(ドラムの回転速度を速くする)
同じ部分に熱が与えられる事を防ぎ、焙煎ムラを防止します。
撹拌がしっかりされているということは、豆と熱源(鉄板)との接触頻度が多くなり、必然的に均一性が高くなっていきます。
火力操作を少なくする
✔︎火力操作の頻度を減らして進行を安定させる
熱源の火力が頻繁に操作されるとムラになりやすいだけでなく、再現性を担保するのも難しくなります。
操作する頻度を減らすのは、再現性を高めるためにも非常に重要です。
火力を弱くする
✔︎火力を下げることで豆内部に火が入りやすく、均一になる
焙煎方式や環境により、均一に焙煎可能な火力が異なります。直火式や簡易焙煎(特にフライパン)などの、輻射熱や伝導熱優位の焙煎方式の場合は特に高すぎる火力には注意しましょう。
気を付けたいのは「低ければよい」訳ではないという事。
あくまでも、ムラにならない程度の調整するイメージです。
豆に直接火があたらないよう調節する
✔︎直火は非常に高温でムラになりやすい
例えばガスコンロで焙煎する場合、火の温度は1900℃にもなるといわれます。局所的に高火力にさらされるとムラになるリスクは高くなるので、煎りムラを感じたら「直火から遠ざける」や「遮蔽物を設置して間接的に熱を与える」などの対策が有効となります。
小型焙煎機で直火式の場合は、火力を下げるのがベターな方法だと思います。
まとめ
以上、コーヒー焙煎における煎りムラの原因と、煎りムラにしないコツを解説しました。
実は、煎りムラに関しては極度なものを除きそこまで気にすることではないと思っています。焙煎者の理想とする美味しさを感じられるかどうかで、必要な範囲で対処していくのが良いかもしれませんね。
美味しいかどうか以上に重要な基準はないかもしれません。
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