「焙煎機を購入してみたものの、具体的な焙煎の方法がわからない」
こういった方に向けて、小型焙煎機(サンプルロースター)の焙煎方法を説明します。
焙煎方法
小型焙煎機(サンプルロースター)の焙煎に必要な道具は生豆を除いたら2つ。
焙煎全体で15分程度の行程となります。
必要な物
- 焙煎機
- コーヒー生豆
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- 軍手
焙煎中、焙煎機とコーヒー豆は高温になるので、軍手は必須。
- ザル
煎り終わった豆を冷ますのに使う。
あると良いもの
- 温度計
ガスコンロの火を調節して、何となく焙煎するのは難しいので焙煎機のドラム内温度を測る。
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- カセットコンロ
ガスの家庭でも、家庭用のコンロの多くは安全装置が付いていて、高温になると勝手に火力を下げられる。なのでカセットコンロがおすすめ。
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焙煎手順
- 生豆の計量とハンドピック (※)
- 焙煎機を弱火で予熱する
- 火力は予熱の状態のまま生豆を投入する
- 5分~8分で豆が黄色くなったら少し火力を上げる
ここまでで〜180℃ぐらいが目安 - 11分〜14分に1ハゼ(※2)が来るように調節(215℃〜220℃)
- 1ハゼが落ち着いてきたら火力が上がりすぎないように少し下げる
- 1ハゼ終了1分〜3分で2ハゼが始まる
ここから焙煎終了まで(225℃〜230℃ぐらいが目安) - 2ハゼ入りで中深煎り
それ以降は深煎りとなる
緑色 まだ飲めない
黄色 浅煎り
オレンジ色 中煎り
茶色 中深煎り
灰色 深煎り
(※)「ハンドピック」とは
豆を煎る前や後またはその両方で、異物や不良豆がチェックする事。
詳しくはこちらパンダ珈琲様より引用
(※2)「1ハゼ」とは
焙煎の後半、温度上昇により内部の気体が気圧に耐えられなくなり、豆の細胞を破壊する音の事。パチパチと強めの音がする。さらに焙煎を進めていくと二度目のハゼ「2ハゼ」が起こる。ピチピチと小さめの音がする。ここまで煎ったら深煎りに入る。
各工程
予熱
予熱(暖機運転)焙煎を始める前に焙煎機を加熱して、温めること。
本来30分程度加熱して、焙煎ごとの条件を揃えて、一定の焙煎をするためのものですが、小型焙煎機は蓄熱が少ないので、予熱はあまり必要ない。
投入温度
投入温度とは、生豆を焙煎機に投入する時の温度の事。
小型焙煎機の場合は、暖機運転はあまり必要ないので、投入温度に達して、安定したタイミングで投入する。
火力の調整が難しいガスコンロでの焙煎は、投入温度が最重要。
中点(ボトム温度)
豆を投入して、下がりきった温度(※)。
※今回使用説明している焙煎機は豆温度は測れないので、焙煎機のドラム内温度で考える。
この温度を参考に調整して、その後の焙煎進行を考える。
水抜き
中点から豆に火を入れるまでの前半の工程。
火力は弱めにして、ゆっくり火を入れていく。
煎りこみ
水抜きの工程が終わり、火が入った豆に強めに火をあてていく工程。
強めに火をあてていくことで、メイラード反応を促し、香りと風味を出していく。
煎り止め
味づくりが終わり、香味をとばさない、焦がさないタイミングで、豆を排出して煎り止めをする工程。
焙煎が長引く事で香味が飛び、後半に火をあて過ぎると焦げるので、それを調整する。
焙煎量150g
工程 | 温度 | 時間 | 火力 |
投入 | 185℃ | 0分 | 投入時の温度 |
中点 | 135℃ | 1分半 | – |
水抜き | 〜180℃ | 〜8分 | – |
煎り込み | 〜220℃ | 〜13分 | 少し高く |
浅煎り | 225℃〜230℃ | 14分 | – |
中煎り | 〜230℃ | 15分 | 一定に保つよう調整 |
中深煎り | 〜230℃ | 16分 | – |
深煎り | 〜230℃ | 17分〜 | – |
コツ
小型焙煎機、中でも今回紹介する直火式で熱源がガスコンロのタイプの場合のコツがいくつかあります。
熱源がガスコンロなので、火力の強さを具体的に計測する術がありません。その事を踏まえ
- 火力調節はなるべく少なく済むようにする事。
直火式の場合、熱源でガスコンロの火の温度は1700℃〜1900℃という高温である事を踏まえ
- 最大火力はなるべく低くなるように、急な温度上昇を避ける、比較的長めの時間である程度ゆっくりとした進行にする事。
強制排気ができないので、1ハゼ以降、煙が増えるところからは排気不足になる事を踏まえ
- ドラムカバーを2秒に1度のペースで一瞬だけ開閉する動作を繰り返して、排気を促す事。
まとめ
直火式の焙煎機と、熱源がガスコンロである事を理解、意識した上で焙煎しましょう。
- 予熱は短めの10分程度で良い
- 火力の調節は最小限に
- 中煎りであれば15分程度を目安に
- 230℃を超えないように調節
このポイントを意識して、温度を計測しながら焙煎を行いましょう。
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