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【コーヒー焙煎】焦げの原因と焦がさない焙煎のコツを解説

焙煎
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コーヒー焙煎の「焦げ」について、以下の3点を解説します。

  • コーヒー焙煎における焦げとは
  • 焦げる原因
  • 焦げない焙煎のコツ

コーヒーの焙煎における焦げとは

コーヒー焙煎の焦げとは

✔︎熱せられ方により焦げた味わいを感じる状態

焦げたコーヒーの味わいの特徴は以下の通りです。

  • 舌に残る不快な苦みを感じる
  • 金属味がある
  • 香りに焦げ臭さが混じる

いずれの要素も、不快に感じるほど強く出てしまうことが問題で、捉え方が難しいところです。

「焦げる」という状態を科学的に説明すると・・・

焦げるとは、主にそのものに含まれるタンパク質や糖質などの有機物が化学反応をおこすことを指します。その化学反応とは、熱反応により水分が失われること、また、それらの成分に含まれる炭素が、酸素と結びつくことができず炭化することを指します。

kaka Net-2020-10-27-今日のはてな より引用

つまり、①タンパク質や糖質が熱せられる→②熱によって水分が失われて炭素になる→③炭素が酸化して炭化(焦げる)という流れになります。

焦げる原因とは

低温だと焦げやすい

低温だとコーヒーが焦げやすい

✔︎実は低温が原因でコーヒーが焦げる

コーヒーが焦げる本質的な理由は、低温(~200℃以下)までの温度帯の進行が遅く、ドラムの鉄板との接触が増えることによって熱量が豆表面に集中してしまうことによる炭化です。

実は低火力、Bake傾向の方が焦げます。
〜省略、十分に加熱していないと鉄板の吸着水(化学的に金属に結合している水分子)が揮発せず、タンパク質と金属の吸着性が高くなるので焦げやすくなります

出典:「Coffee Fanatic 三神のスペシャルティーコーヒー攻略本」p107

これは一見直感に反しますが、科学的に裏付けられた重要なポイントです。低火力では鉄板の温度分布がムラになりやすく、豆が鉄板に接触したままになる時間が長くなることで焦げが起きやすくなります。また、200〜250℃まで昇温しないと鉄板の吸着水が分離せず、タンパク質が金属と吸着したままになってしまいます(出典:Roast Design Coffee Blog / ファナティック三神氏)。

焙煎が深すぎる

焙煎が深すぎると焦げを感じる

✔︎焙煎が深すぎることで焦げていると感じられることもある

焙煎が深くなるとフェノール類が発生して薬品臭や煙臭などの原因となり、焦げていると感じられます。

コーヒーでも焙煎が進むとフェノール類が生成し、その香りは樹木、スパイス、薬品臭、煙臭などに喩えられます。

出典:「コーヒーの科学」147p

煙臭・焦げ臭の付着

排気不足で煙臭・焦げ臭が付着する

✔︎排気不足で焦げ臭(煙臭)が付着する

焙煎終盤の煙発生時に排気が弱いと煙臭・焦げ臭が付着して、焦げを感じます。

焙煎終盤で排気が弱すぎると、煙が抜けきらずにフェノール類による煙臭や焦げ臭など、燻されたような臭いが豆に強く残ります。

出典:「コーヒーの科学」207p

ちなみに、水抜き不足は嫌な苦みの原因に・・・

水抜き不足が嫌な苦みの原因になる

直接的な焦げとは異なりますが、水抜き不足で煎り込んでしまうと、コーヒーに含まれるクロロゲン酸が加水分解します。そして、そのときに生じるカフェー酸が悪い焦げの味の原因になります。

水抜きに失敗した中深煎りのコーヒーは渋みがきつく出ますが、もうちょっと煎り進めて深煎りにすればややきつい苦味はあるものの、渋みよりマシという味になります。

「コーヒーおいしさの方程式」92ページより引用

そして、この「ややきつい苦み」の正体がビニルカテコールオリゴマーです。

苦味には大きく分けて2種類あることが分かった。それらは、
①中煎りタイプの苦味(クロロゲン酸ラクトン類)
②深煎りタイプの苦味(ビニルカテコールオリゴマー

「コーヒーおいしさの方程式」93ページより引用

この「ビニルカテコールオリゴマー」をさらに加熱すると、悪い焦げの味になります。

②が多数結合すると「ビニルカテコールポリマー」(苦渋味)となり、ここでは「わるいおこげの味」と位置付けている。

「コーヒーおいしさの方程式」93ページより引用

一言でいうと、生焼けの豆を煎り進めると、結果的に焦げた味になるということです。

▶ 水抜きについてはこちら:コーヒー焙煎「水抜き」についての考察

焦がさない焙煎のコツ

投入温度を適正な範囲に収める

投入温度を適正にして焦げを防ぐ

✔︎投入温度が一定以上だと焦げにくい

投入温度が低いと、焙煎全体のRoRが低下しやすく焦げにつながるため、中点が豆温度80℃を大きく下回らない程度に調整するのが良いです。ただし焙煎機によって中点の温度の傾向は変わるので、あくまで参考程度に。

深く煎り過ぎない

深煎りすぎると焦げ臭が付着しやすい

✔︎深く焙煎しなければ焦げ臭は付着しにくい

焦げ臭の元となるフェノール類は浅煎りであればあまり生成されません。そもそも深煎り時の焦げ臭(煙臭)は厳密には焦げているわけではないので、好みの問題ともいえます。

1ハゼ以降は排気を(適正な範囲で)強める

1ハゼ以降の排気を強めて焦げを防ぐ

✔︎適切な排気(ニュートラル)であれば焦げ臭は付着しにくい

1ハゼ以降の排気不足での煙臭の付着が焦げ(を思わせる)原因になるため、後半の排気は特に気をつけましょう。ニュートラルを見極めるコツは「排気部以外から煙や蒸気が出ない」程度が目安です。排気が強すぎても焦げる可能性は上がるので注意が必要です。

攪拌を高める

✔︎攪拌を高めることで豆の鉄板への接触時間を短くし、焦げにくくなる

生豆の鉄板への接触時間を短くし、接触回数を増やす(高攪拌)ことで焦げにくくなります。投入量を少なくしたり、ドラムの回転数を上げるなどが攪拌を高める手段として有効です。中華鍋のチャーハンを高火力で鍋をあおって作るのと同じ原理です(出典:Roast Design Coffee Blog / ファナティック三神氏)。

深煎りの場合は高火力を維持して早めに煎り止める

✔︎深煎りでは、火力を下げず焦げる前に煎り止めるのが有効な場合がある

深煎りのDevelopment Phaseで時間がかかると非常に焦げやすくなります。特に200℃を超えるとタンパク質が変異してさらに焦げやすくなるため、焦げを回避したい場合は、むしろ高火力を維持したまま焦げる前に焙煎を終了させる方が有効なことがあります。「1ハゼが来たら火力を下げないと焦げる」という考え方と逆になりますが、上記の原理(低火力の方が焦げやすい)から裏付けられた方法です(出典:Roast Design Coffee Blog / ファナティック三神氏)。

まとめ

以上、コーヒー焙煎における焦げの原因と、焦げないコツを解説しました。

✔︎コーヒーの焙煎における焦げとは

熱せられ方により焦げた味わいを感じる状態。

✔︎焦げる原因とは

  • 低温だと焦げやすい(低火力・Bake傾向+鉄板への長時間接触が本質的な原因)
  • 焙煎が深すぎる(フェノール類の生成による焦げ臭)
  • 煙臭・焦げ臭の付着(排気不足)

ちなみに、水抜き不足は嫌な苦みの原因に・・・
カフェー酸→ビニルカテコールオリゴマー→ビニルカテコールポリマーと変化し、最終的に「わるいおこげの味」になります。

✔︎焦がさない焙煎のコツ

  • 投入温度を適正な範囲に収める(中点が豆温度80℃を大きく下回らない程度)
  • 深く煎り過ぎない
  • 1ハゼ以降は排気を(適正な範囲で)強める
  • 攪拌を高めてドラム面への接触時間を短くする
  • 深煎りの場合は高火力を維持して焦げる前に煎り止める

コーヒー焙煎の失敗のうち、焦げについての情報は、昔に比べて一番更新されている題材だと思います。意外に思う解決策にも先人達の裏付けあってのもの。ぜひお試しください。

今回の記事の参考文献等はこちら

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