コーヒー焙煎本「コーヒー焙煎用語ブック」のレビューになります。
コーヒー焙煎用語ブック
◆1,980円(Amazon)
編者 月間カフェレス編集部
刊行 2018年5月29日
概要
01.品種・栽培

10種類のオーソドックスな品種の解説の他に、栽培時の農園独自の手法「樹上完熟豆」などニッチな情報も掲載。
取り扱う題材は焙煎用語だけにあらず。
基礎的なアラビカ種やロブスタ種についての解説の他に、コーヒーベリー(カスカラ)の抗酸化力はアサイーの○倍⁉など、割と幅広い項目を解説しています。

基本は基本にあらず。少し煮詰まって、焙煎に悩む経験者にこそ新しい刺激を与えてくれる言葉が多い気がします。
- コーヒー・ベルト
- 国産コーヒー
- コーヒー・チェリー
- コーヒーベリー
- 樹上完熟豆
- 手摘み
- ピーベリー
- ニュークロップ
- ロブスタ種
- アラビカ種
- ティピカ
- ブルボン
- ムンドノーボ
- カツーラ
- マラゴジッペ
- ハイブリッド・チモール
- カティモール
- ケント
- バリエダコロンビア
- ゲイシャ

02.精製

セミウォッシュトにアンウォッシュト?コーヒーの精製について、基礎的な事はもちろん他の専門書には記載されていない事柄も解説。
コーヒーの精製で意外に多い同義語(違う言葉で同じ意味)もきっちりフォロー。
コーヒー精製のナチュラルとアンウォッシュドやパルプドナチュラルとハニーなどほぼ同義語でも微妙に意味合いが異なるような、ややこしい事柄も解説されているので、実用性○

「ハニー」についての記述で、レッドハニーについては少し誤りがあると思うので、当サイトでも解説しているこちらも参照してみてください。
- ウオッシュト
- ソーキング
- ウォッシュトの精製例①~③
- セミウォッシュト
- アンウォッシュト
- ナチュラル
- パルプドナチュラル
- スマトラ式
- スロードライ
- ダブルパス
- ハニープロセス
- ワイニープロセス
- ミューシレージ
- アフリカンベッド
- ウインドドライ

03.精選

国ごとに異なる基準で等級分けされてややこしいコーヒーの精選について、主要10ヵ国の解説に加え、欠点豆や輸送時のコンテナの事なども含め網羅的に解説。
意外と知らないスクリーン(豆の大きさを示すサイズの単位)
焙煎する上で、コーヒー豆のサイズを把握する事はとても重要。それらを表すスクリーンごとの大きさも表で掲載されているので、知識としてすぐに活用する事ができます。

コロンビアの等級情報は脱字で一部誤りがあると思うので、当サイトでも解説しているこちらも参照してみてください。
- 精選の工程
- スクリーン
- ハンド・ピック
- 欠点豆
- ペルクラード
- ブラジルの品質基準
- コロンビアの品質基準
- グアテマラの品質基準
- メキシコの品質基準
- コスタリカの品質基準
- ホンジュラスの品質基準
- ジャマイカの品質基準
- ハワイの品質基準
- インドネシアの品質基準
- タンザニアの品質基準
- スペシャルティーコーヒー
- 認証コーヒー
- オールド・ビーンズ
- リーファーコンテナ

04.焙煎機

焙煎方式の解説に加えて、装置ごとの名称や役割なども記述されています。装置ごとの基礎知識や設置のコツなど、知っていないと困るけどあまり教えてくれない事も丁寧に解説。
焙煎機を知ることは、焙煎の前提条件を知ること。
直火式の焙煎機はどんな構造で、どういう焙煎に向いているの?こういった焙煎方式ごとの前提条件の解説や、各装置についての記述は具体性のある焙煎の助けになります。

「直火式焙煎機」で記述されている「遠赤外線効果を加味して香味を引き出す」という事については、意見の分かれるところだと思いますので気になる方は、こちらをご一読ください。
- 焙煎機の種類
- 焙煎機の構造
- 焙煎機の大きさ
- 焙煎機の設置場所
- 直火式焙煎機
- 半熱風式焙煎機
- 熱風式焙煎機
- ホッパー
- スプーン
- ガス圧計
- バルブ
- 冷却機
- ウォータークエンチ
- 焙煎機の改造
- ダンパー
- 排気ファン
- ダクト
- サイクロン
- アフターバーナー

05.焙煎工程

本書の主題「焙煎」について、工程を5段階に分けての解説や、10種類の焙煎の進行イメージ例をプロファイルと共に掲載。
なぜこのタイミングでダンパーを開けるの?なぜそこで火力を抑えるの?
掲載されている10種類もの焙煎進行イメージは、実践的なグラフと共に解説されており、焙煎の何故?を具体的に解消していきます。

文章では伝えきれない細かい焙煎コントロールもグラフを見る事で感覚的にとらえる事ができるのが良いです。
- 焙煎の熱源
- バッチ
- コーヒー焙煎の5段階
- 焙煎時の「音」の変化
- 焙煎時のコーヒー豆の「形状」の変化
- 焙煎時の「香り」の変化
- 中点
- 温度上昇率
- オイル
- チャフ
- 炭酸ガス
- 豆温度
- 焙煎機内の温度
- ハニカム構造
- ハゼ
- ハゼのメカニズム
- 焙煎の熱分解反応
- ハゼ音
- シワ
- ドラムの余熱
- バナーの火力
- ダンパー操作
- 排気コントロール
- 火力と排気のバランス
- 煎り止め
- ローストポイント
- 高温短時間焙煎
- 低温焙煎
- 低温短時間焙煎
- 焙煎の表現イメージ
- 焙煎の進行イメージ例①~⑩
- 焙煎度合い
- L値
- アグトロン

06.カッピング

カッピングのやり方や評価基準の他にも、教えてもらわなければわからない、カッピングの様々な表現について152種も掲載しています。
「Bright」「Smooth」「Winey」どんな味のコーヒーかわかりますか?
コーヒーの生豆を買うときも普通にカッピングコメントとして普通に記載されている言葉ですが、教えてもらわなければわからない物ばかりで、本書が活躍すること間違いなし。

どんな表現があるかは教えてくれても、具体的な意味は中々知る事ができないので、これを解説してくれているのはとてもありがたいです。
- カッピングの目的
- カッピングの方法
- カッピングするときの留意点
- カッピング・コンダクテッド
- カッピング例
- スラッピング
- カッピングの評価項目
- 評価項目=芳香の解説
- 評価項目=風味の解説
- 評価項目=後味の解説
- 評価項目=酸味の解説
- 評価項目=ボディー、コクの解説
- 評価項目=均一性の解説
- 評価項目=味のバランスの解説
- 評価項目=透明感の解説
- 評価項目=甘さの解説
- 評価項目=相対的評価の解説
- 評価項目=欠点、総合評価点の解説
- コーヒー評価の多層化
- コーヒーの風味の欠点=有機材料の欠乏によるときの表現
- コーヒーの風味の欠点=酸の化学変化によるときの表現
- コーヒーの風味の欠点=脂肪の化学変化によるときの表現
- コーヒーに関する良い香味表現
- コーヒーに関する悪い香味表現
- 酸味に関するコーヒー香味用語
- 苦みに関するコーヒー香味用語
- 舌に直接感じる香味用語
- コーヒー品評会
- オープンカッピング
- サード・ウエーブ

まとめ
01.品種・栽培
- コーヒー・ベルト
- 国産コーヒー
- コーヒー・チェリー
- コーヒーベリー
- 樹上完熟豆
- 手摘み
- ピーベリー
- ニュークロップ
- ロブスタ種
- アラビカ種
- ティピカ
- ブルボン
- ムンドノーボ
- カツーラ
- マラゴジッペ
- ハイブリッド・チモール
- カティモール
- ケント
- バリエダコロンビア
- ゲイシャ
02.精製
- ウオッシュト
- ソーキング
- ウォッシュトの精製例①~③
- セミウォッシュト
- アンウォッシュト
- ナチュラル
- パルプドナチュラル
- スマトラ式
- スロードライ
- ダブルパス
- ハニープロセス
- ワイニープロセス
- ミューシレージ
- アフリカンベッド
- ウインドドライ
03.精選
- 精選の工程
- スクリーン
- ハンド・ピック
- 欠点豆
- ペルクラード
- ブラジルの品質基準
- コロンビアの品質基準
- グアテマラの品質基準
- メキシコの品質基準
- コスタリカの品質基準
- ホンジュラスの品質基準
- ジャマイカの品質基準
- ハワイの品質基準
- インドネシアの品質基準
- タンザニアの品質基準
- スペシャルティーコーヒー
- 認証コーヒー
- オールド・ビーンズ
- リーファーコンテナ
04.焙煎機
- 焙煎機の種類
- 焙煎機の構造
- 焙煎機の大きさ
- 焙煎機の設置場所
- 直火式焙煎機
- 半熱風式焙煎機
- 熱風式焙煎機
- ホッパー
- スプーン
- ガス圧計
- バルブ
- 冷却機
- ウォータークエンチ
- 焙煎機の改造
- ダンパー
- 排気ファン
- ダクト
- サイクロン
- アフターバー
05.焙煎工程
- 焙煎の熱源
- バッチ
- コーヒー焙煎の5段階
- 焙煎時の「音」の変化
- 焙煎時のコーヒー豆の「形状」の変化
- 焙煎時の「香り」の変化
- 中点
- 温度上昇率
- オイル
- チャフ
- 炭酸ガス
- 豆温度
- 焙煎機内の温度
- ハニカム構造
- ハゼ
- ハゼのメカニズム
- 焙煎の熱分解反応
- ハゼ音
- シワ
- ドラムの余熱
- バナーの火力
- ダンパー操作
- 排気コントロール
- 火力と排気のバランス
- 煎り止め
- ローストポイント
- 高温短時間焙煎
- 低温焙煎
- 低温短時間焙煎
- 焙煎の表現イメージ
- 焙煎の進行イメージ例①~⑩
- 焙煎度合い
- L値
- アグトロン
06.カッピング
- カッピングの目的
- カッピングの方法
- カッピングするときの留意点
- カッピング・コンダクテッド
- カッピング例
- スラッピング
- カッピングの評価項目
- 評価項目=芳香の解説
- 評価項目=風味の解説
- 評価項目=後味の解説
- 評価項目=酸味の解説
- 評価項目=ボディー、コクの解説
- 評価項目=均一性の解説
- 評価項目=味のバランスの解説
- 評価項目=透明感の解説
- 評価項目=甘さの解説
- 評価項目=相対的評価の解説
- 評価項目=欠点、総合評価点の解説
- コーヒー評価の多層化
- コーヒーの風味の欠点=有機材料の欠乏によるときの表現
- コーヒーの風味の欠点=酸の化学変化によるときの表現
- コーヒーの風味の欠点=脂肪の化学変化によるときの表現
- コーヒーに関する良い香味表現
- コーヒーに関する悪い香味表現
- 酸味に関するコーヒー香味用語
- 苦みに関するコーヒー香味用語
- 舌に直接感じる香味用語
- コーヒー品評会
- オープンカッピング
- サード・ウエーブ
以上、6項目、149の用語について説明されています。

焙煎以外も基本的な事を網羅的に解説してくれている便利な1冊
「コーヒー焙煎用語」というタイトルを良い意味で裏切る、幅広い内容を解説した、凡庸性の高い1冊でした。ただ、記事内でも補足しているように、細かい箇所に間違いや憶測を交えた記述があったので、はじめの一冊ではなく、基礎知識を入れた状態での2冊目以降、補完的な扱いでの購入が良いかも。
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