認証系コーヒーについて
- 認証系コーヒーとは
- 認証系コーヒーの系統
- 認証系コーヒーの種類
解説します。
認証コーヒーとは
認証コーヒーにはその認証の目的により2つの系統にわかれる
①コーヒーの持続性(に繋がる環境保護も含む)
代用的なものとして「レインフォレスト・アライアンス認証」や「バードフレンドリー認証」などがあげられ、「コーヒー生産者の労働基準が満たされているか」や「自然破壊をしない形でコーヒーの栽培を行っているか」などの点に焦点があてられている
森永乳業「マウントレーニア」も認証コーヒー※
森永乳業から発売されている「マウントレーニア」に使われるブラジル、タデーラ農園がレインフォレスト・アライアンス認証を取得した豆が使用されている。※すべての商品に使用されているかは定かではない。
②コーヒー(農産物)の有機栽培
日本のJAS認証はもちろん、アメリカのUSDA、EUのユーロリーフなど、有機栽培のコーヒー(農産物)に対して、国ごとに認証が設けられている。
東ティモールは有機栽培コーヒー名産地
東ティモールにおけるコーヒーは、ポルトガルの植民地時代の1815年にブラジルから持ち込まれたのが始まり。1975年に今度はインドネシアの占領下となり、インドネシア軍がコーヒー貿易を独占。しかし、コーヒー栽培を重要視していなかったインドネシアに放置されたため、無農薬で化学肥料を使わない栽培方法が定着した。
コーヒー認証一覧
実際に日本に関係していたり、流通している認証、プログラムなどを中心に9つを紹介。
レインフォト・アライアンス
同団体の基準をクリアして持続可能な農業を行っていると認証された農園の製品に付けられる
カエルは科学者からは生物指標とされ、その生息個体数により健全な環境を指し示すとされる。そんなアマガエルを中心とした様々な両生類の生息地として知られる中南米を中心とする亜熱帯雨林から始まった自然保護活動のマスコットとしてアマガエルが選ばれた。1987年発足以来、カエルのマークを国際的な持続可能性の象徴となっている。
レインフォレスト・アライアンス認証マークは、その認証原料が、持続可能性の3つの柱(社会・経済・環境)の強化につながる手法を用いて生産されたものであることを認証するとされる。
バードフレンドリー
自然に近い形での栽培を行うことで渡り鳥と森林を守る認証プログラム
効率を追求しただけのコーヒー栽培では、その多くの場合森を切り開き、サングロウン(日照栽培)が行われることで、森林を破壊し、結果過去50年で約25億羽の渡り鳥が減少したとされている。当認証を普及しシェードグロウン(木陰栽培)を推進することで森林を壊すことなく、自然環境や渡り鳥と共存する形でのコーヒー栽培を推進する。
木陰栽培であることや有機栽培であることの他にも厳しい基準が設けられている。
有機JAS
2~3年以上農薬や化学肥料などに頼らず生産されたことを示す日本の有機作物認証マーク
2~3年以上の期間を継続的に農薬や化学肥料などを使わず栽培された作物を農林水産省が認定する第三者機関が調査、認定することで得られる。この認証を受けていない製品に「有機○○」や「オーガニック」などと記述することは禁じられている。
USDAオーガニック認証
アメリカ農務省によるオーガニック認証制度
USDAオーガニックの認証マークがついた製品は、アメリカ農務省によるオーガニックの基準をクリアした製品であることを意味しており
その程度により4段階にわけられている
生産工程を含む、加工段階で使われるものも含めて、100%の原料がオーガニック(水と塩を除く)
95%以上(塩と水を除く)がオーガニック原料。残りは非有機農産物または「許容・禁止物質リスト(ナショナルリスト)」に記載されている非農業製品。
70%以上(塩と水を除く)がオーガニック原料。 残りの原料に遺伝子組換えやその他のナショナルリストに準拠しない原材料を含むことはできない。
使用しているオーガニック原料(塩と水を除く)が70%未満の場合、製品をオーガニックとうたうことや、認証マークの貼付は認められていないが、原材料表記でオーガニックの原料であることを表記することはできる。
EUオーガニック認証(ユーロリーフ認証)
EUの有機農業規則に従って生産された農産物であることを証明
栽培から消費に至るまでの全ての過程で、EUの規定に則った周期的な検査が必要とされ、加工品においては原料の95%以上がオーガニックであることを証明する。
認証マークは、欧州と自然の調和をイメージし、欧州旗の象徴でもある12個の星で葉の形を模し配色も葉を思わせるグリーンで「ユーロリーフ」とも呼ばれる。
国際フェアトレード認証
国際フェアトレードラベル機構が定めた基準を満たす物に与えられる
国際フェアトレード基準では、国際市場価格がどんなに下落しても生産者の持続可能な生産と生活を支えるために必要な「フェアトレード最低価格」に則った取引が行われるよう定められている。アラビカコーヒーであれば1ポンド(約454g)140USセント、有機認証の物は更に30USセント上乗せとなる。
それに加え1ポンドあたり20USセントの奨励金が保証され、これにより生産性や品質の向上、生産者の生活や社会発展を助けることでサステナブルの実現を目指す取り組み。
WFTO
フェアトレードの10指針が守られている商品に対する認証制度
生産者の労働条件・賃金・児童労働の排除・環境などなどフェアトレードの10指針が守られている商品に対する認証を行うことで、途上国の生産者・労働者の自立を支援するフェアトレードを推奨する各国の組織の連合体。
オランウータンコーヒー
オランウータンの保護活動を行う非営利団体に共感したコーヒー事業者たちが、環境に配慮した栽培を行う生産者を支援するために立ち上げた認証
生物学者と3人のコーヒー専門家によって始まったプログラム。
かつてはスマトラ島全体に広がっていたオランウータンの生息地である低地の熱帯雨林現在20%しか残っていない。残された熱帯雨林を保護し、ガヨ高原で成長する小規模農家のコミュニティの生活を確保することで、オランウータンの個体群を保護することを目的に発足。オーガニックコーヒーの生産も推進している。
IWCA
コーヒー生産に携わる女性の生産技術と地位向上、持続可能な社会生活の実現を支援
IWCA (International Women’s Coffee Alliance) は、2003年にコーヒー生産に携わる女性の生産技術と地位向上、持続可能な社会生活の実現を目的にNPO法人としてコスタリカで設立された。生産国の60%である24カ国がIWCAに加盟しており、 消費国で米国を除き、最初に設立されたのが日本支部。設立年月日は2015年3月23日
(※認証プログラムがメインではない)
以上、認証系コーヒーについて解説しました。
今回紹介した認証系コーヒーというジャンルについては、「生産者や環境の保護に繋げる」という本来の目的に寄与し良い結果を得ている物も多いですが、その乱立による悪影響についても近年では話題になりつつあり、良い意味でも悪い意味でも目が離せない分野となりつつあります。当サイトでも引き続き情報の収集と更新に努めますので、皆様からのご意見等もお待ちしております。
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