コーヒー本、特に焙煎について「ビジュアルスペシャルティコーヒー大事典」のレビューになります。
ビジュアルスペシャルティコーヒー大事典【2ndEdition】
◆5,060円(Amazon)
編著 ジェームズ・ホフマン
日本語監修 丸山健太郎
刊行 2020年2月24日
概要
第1章「コーヒーの世界へようこそ!」
そもそもコーヒーとは、何なのか。
植物としてのコーヒーに触れながら、品種ごとの系譜や味わいにまで踏み込んで解説されています。
コーヒーの品種は非常に重要。
国ごとで味が決まっていると思っていませんか?
味わいを決定付けているのは、国ではなく、品種と精製であり、そこに国ごとのテロワール(地域性)が加わっているという事が意味として理解できます。
収穫や精製、選別の時にかかるコストの事まで言及されていて、著者のサステナビリティを感じました。
第2章「コーヒー豆から究極の1杯へ」
コーヒー産業で最も魅力的な側面の一つである焙煎、そしてカップに注がれるまでの工程で最も重要な抽出について、広く、でも深く解説されています。
本書で解説されている焙煎について、数字を使う訳ではなく、5つの工程【①乾燥 ②豆が色づく ③1ハゼ ④焙煎の進行 ⑤ 2ハゼ】に分けて簡潔に解説されています。
本章の直感的な内容は、必ず新しい気づきを与えてくれるのではないかと思います。
イギリス人の著者による焙煎の記述は、日本で目にする物とは少しずつ違う点があり、そこがまた面白いです。
第3章「世界のコーヒー生産地」
コーヒーの生産地各国がそれぞれどのような環境でどんな品種を育てているか、主要35ヶ国を網羅して詳細的に掲載。
焙煎やテイスティング(カッピング)をする上で切り離せないコーヒーの品種や精製、標高などの生育環境について、それこそ辞典のようにまとめられています。
国ごとの大まかな品種だけでなく、各国、地域ごとに生産品種順に記載されているので、実際にコーヒーを購入する際にも活用できる内容となっています。
別の本でも似たような記述を目にする事はありますが、少しずつ生産する品種も変化しているようなので、より新しい情報を得るには本書はうってつけです。
まとめ
1.コーヒーの世界へようこそ!
- アラビカ種とロブスタ種
- 植物としてのコーヒーノキ
- コーヒーチェリー
- コーヒーの品種
- コーヒーの収穫
- コーヒーの精製
- コーヒーの取引
- コーヒー飲用の歴史
2.コーヒー豆から究極の1杯へ
- コーヒーの焙煎
- 豆の買い方と保存方法
- コーヒーのテイスティング
- コーヒーの挽き方
- コーヒーに適した水
- 抽出の基本
- エスプレッソ
- 自家焙煎
3.世界のコーヒー生産地
- アフリカ【9カ国】
- アジア【8カ国】
- 南北アメリカ【18カ国】
以上、3章、16項、35カ国について説明されています。
まさにコーヒー大事典な一冊。
抽出や豆の保存、買い方までしっかりと網羅されています。
焙煎についての記述は一部でしたが、どのタイミングで熱を与えるのか、各工程で何を考えるべきなのか、わかりやすく参考になったのと、焙煎する際にも品種や精製の事はとても重要な情報である事から、コーヒー焙煎本としてご紹介させて頂きました。
このブログを書いているアイカ珈琲はオンラインショップにて、コーヒー豆の販売も行っております。
小型焙煎機とURACATA焙煎モニターを使って、注文を頂いてから発送当日に焙煎お送りしています。
煎りたてのコーヒーにしか出せない、豊かな風味をぜひお楽しみください。
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