コーヒー本「コーヒーの科学」のレビューになります。
コーヒーの科学
◆1,188円(Amazon)
作者 旦部幸博
刊行 2016年2月20日
概要
第1章「コーヒーってなんだろう?」
コーヒーとはなんなのか?
コーヒー豆の構造や製造工程を順に解説。
どんな植物の何ががどうなって、日頃飲んでいるコーヒーができているのか、科学的に捉えて具体的に解説されています。
コーヒーの精製についても、より具体的に考案された年代から、その理由までを知る事ができます。
第2章「コーヒーノキとコーヒー豆」
コーヒーを植物としての視点で解説。
「コーヒーノキ」すなわちコーヒーの起源を1億年以上遡って、詳細まで言及しています。主要品種、アラビカ種がいかに奇跡的な巡り合わせで、栽培されているのか知る事ができます。
第3章「コーヒーの歴史」
コーヒーの発明、伝搬など様々な歴史について解説。
コーヒーとして飲まれるようになるまでの歴史や、抽出、精製、焙煎などの器具開発の系譜など他では知り得ない貴重な情報が記述されています。
病害との闘いと、品種開発の話などは、それぞれの品種の希少性を知る上では切り離せない話です。
第4章「コーヒーの『おいしさ』」
人は何を美味しいと感じるのか、というところから遡ってコーヒーのおいしさを解説。
本書の副題にも使われている「おいしさ」について迫ります。コーヒーのどの部分を何をもって美味しいと感じているのか、飲む人も、淹れる人も、焙煎する人も、誰もが気になる最大の謎の一端が明かされています。
第5章「おいしさを生み出すコーヒーの成分」
カフェイン、クロロゲン酸などの成分についての味わいとの関係を解説。
どの成分がどのような過程を経て生成されるのか、その結果どんな味わいに影響するのか、普通では知り得ない貴重な情報が技術されています。
これを知る事で、焙煎や抽出の考え方を一歩先へ進ませる事ができるのではないでしょうか。
第6章「焙煎の科学」
コーヒーの「焙煎」について科学的に解説。
感覚的に捉えられがちな「焙煎」ですが、焙煎という科学について、様々な焙煎方法や各工程を解説されています。
熱源が与える豆への影響などの記述 もあり、焙煎されている方は必見の内容です。
第7章「コーヒーの抽出」
コーヒーの「抽出」について科学的に解説。
こちらも感覚的に捉えられがちな「抽出」について、透過法、浸漬法、それぞれの抽出法の違いと抽出過程の違いについてなど、わかりやすく記述されています。
「様々な淹れ方があり、どう淹れれば正解なの?」コーヒーが好きなら誰もが一度は考える疑問を解決してくれます。
第8章「コーヒーと健康」
コーヒーによる健康への影響について、科学的に解説。
コーヒーと健康に対する考え方から、長期作用、相関関係に至るまで、この章だけで1冊できそうな情報量を記述されています。「コーヒーで成績はアップする?」などのトリビア的設問にも言及されていて、楽しみながら読む事ができます。
まとめ
- コーヒーってなんだろう?
- コーヒーノキとコーヒー豆
- コーヒーの歴史
- コーヒーの『おいしさ』
- おいしさを生み出すコーヒーの成分
- 焙煎の科学
- コーヒーの抽出
- コーヒーと健康
以上の8つについて解説されています。
「コーヒーの科学」というタイトルとは裏腹に、非常にわかりやすく、コーヒーについてのあらゆることを網羅した参考書のような本です。
一からコーヒーを学びたいという人にはもちろん、コーヒー業界に従事するプロの方にまで読んでいただけるとような良書だと思いますので、是非ご一読ください。
ひつじ珈琲のomoriさんも「コーヒーの科学」を絶賛されていたりします。
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