コーヒー本「新版 THE COFFEE BOOK」のレビューになります。
新版 THE COFFEE BOOK
◆3,080円(Amazon)
著者 アネット・モルドヴァ
監修 丸山健太郎
刊行 2021年12月16日
概要
イントロダクション
カフェ文化やコーヒーの歴史に触れつつ、栽培方法や品種、精製に、その後の流通まで一挙解説。
各ページごとにイラストや写真とともに簡潔にまとめられていてサクサク読めます。
他の専門書では見かけない珍品種エアルーム。
本章の題材の一つである品種について、他書では原種などとまとめてくくられることの多いエチオピア系の品種についてもエアルーム種として13品種に分類して掲載。
本章の最後に掲載されているフレーバーホイールも日本語に訳されて実用的なのが嬉しい。
コーヒーの扱い方と淹れ方
コーヒーの買い方や挽き方に焙煎までの扱い方全般を網羅。中でもコーヒー豆の買い方については図も合わせて丁寧に解説して実用的。
意外と難しいコーヒーの買い方にフォーカス。
ブレンドとシングルオリジンの違いは?透明なパッケージはコーヒーの鮮度を保つには不向き?など、分からず買って失敗しやすい疑問を解明。
豆を買ってからも、保存方法やコーヒー豆の挽き目の事、他にもカフェインの依存性など、飲むためのハウツーがまるっとわかります。
世界各地のコーヒーたち
47のコーヒー生産地の生産量、収穫時期、生産処理に品種の他、地域ごとのの品種や特性も細かく解説。
新版は生産地情報も新しく。
2021年12月に改訂して新版として発売された本書は、旧版(2014年)の情報を更新し、一部改訂で情報も新しくなっています。
マップを使って図解しているので、各地域の距離や位置関係もわかりやすい。
抽出器具
定番のペーパードリップやフレンチプレスの他に、イブリックやカフェ・フィン、ナポリタンなど聞きなれない抽出器具についても解説。
シンプルでかわいいイラストは見るだけで楽しめる。
各器具の抽出手順やポイントをわかりやすく、それでいてシンプルでかわいいイラストは眺めているだけでも楽しめます。
カフェ・フィンやナポリタン、カールスバーダーなど他の専門書でまず見られない珍品。
レシピ
実に70種類のレシピを写真付きで解説。数々の賞を受賞しているロンドンの焙煎会社、Square Mile Coffee Roastersの共同創業者であり、オーナーの著者が記したレシピは必見。
コーヒー通の心をくすぐる生産地伝統レシピも掲載。
華やかなアレンジドリンクやエスプレッソドリンクだけではなく、エチオピアやメキシコにトルコなどの伝統レシピも掲載。
エスプレッソマシンがなくても半数以上ならレシピは作れます(フレンチプレスはあった方が良いかも)
まとめ
イントロダクション
- カフェ文化
- コーヒーが歩んできた歴史
- コーヒーの種と品種
- コーヒーの系図
- 生育と収穫
- 生産処理
- カッピング
- 味わいの違いを楽しむ
コーヒーの扱い方と淹れ方
- 品種の指標となる情報
- 選び方と保存方法
- 自家焙煎に挑戦
- コーヒーミル
- コーヒーQ&A
- 水質チェック
- エスプレッソを淹れる
- ミルクも大切
- ラテアート
- デカフェ(カフェインレスコーヒー)
世界各地のコーヒーたち
- アフリカ
- インドネシア・アジア・オセアニア
- 中南米
- カリブ海および北米
抽出器具
- エスプレッソマシン
- フレンチプレス
- ペーパードリップ
- ネルドリップ
- エアロプレス
- サイフォン
- マキネッタ
- 水出しコーヒー
- コーヒーメーカー
- カフェ・フィン
- イブリック
- ナポリタン
- カールスバーダー
レシピ
- 定番レシピ
- ブラックコーヒー(ホット)
- ホワイトコーヒー(ホット)
- ブラックコーヒー(アイス)
- ホワイトコーヒー(アイス)
- ミキサードリンク(アイス)
- コーヒーカクテル(ホット)
- コーヒーカクテル(アイス)
以上、5章、43項について説明されています。
旧版が絶版になってからも定評があり、満を持しての新版として再発売された話題書はシンプルでビギナーライクな一冊。
ロンドンを代表するロースターのオーナーが著者ですが、複雑な内容ではなく、写真やイラストも多くシンプルで簡潔にまとめられた本書は、割とビギナー向けかも?
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