初心者にもおすすめなコーヒー焙煎本「『中川ワニ珈琲』のレシピ 家でたのしむ手焙煎コーヒーの基本」のレビューになります。
『中川ワニ珈琲』のレシピ 家でたのしむ手焙煎コーヒーの基本
◆1,540円(Amazon)
著者 中川ワニ
刊行 2018年2月22日
概要
第Ⅰ章はじめまして「中川ワニ珈琲」です
軽やかに、でもどこか深く刺さるような言葉で焙煎人中川ワニのコーヒー調理観が語られます。
「焙煎」という言葉はなんだか業務的だなとずっと思っていた。(本書より抜粋)
著者は焙煎の事を親しみと向き合う姿勢になぞらえて「調理」と呼びます。科学的なコツや方法ではありませんが、経験が裏付ける確かな知識がエッセイのように綴られています。
基本は基本にあらず。少し煮詰まって、焙煎に悩む経験者にこそ新しい刺激を与えてくれる言葉が多い気がします。
第Ⅱ章ハンド・ローストしてみよう
見て、触って。ザルを使って豆を触りながら焙煎「調理」する、まさにハンドローストを指南します。
豆をクニっと割きながら焙煎。香りや色だけじゃない、感触を感じる。
直径17~19㎝の小さなザルに入れて、4分以降豆に火が入り始めたら豆を割いて感触を感じながら焙煎「調理」する、新しい焙煎法を50枚以上の写真とともに解説。
中川ワニ氏の妻の京子さんが手焙煎をしている実際の動画がこちら。
第Ⅲ章ハンド・ローストした豆をおいしく淹れよう
コーヒーの淹れ方の基本や考え方、さらに著者独自のワニ式ハンドドリップを40枚の写真とともに解説。
リズムが大事・まごつきはエグ味を生む(本書より抜粋)
実はハンドドリップの淹れ方で良く言われるのが、注ぐリズムを安定させるという事。本書ではそのことを理屈抜きで、感覚的に理解できるようまとめられています。
ワニ式ドリップは動画でもまとめられているので、気になる方はこちらをチェックしてみてください。
まとめ
第Ⅰ章はじめまして「中川ワニ珈琲」です
あじわいの作り方
- 焙煎人の仕事は豆を調理すること
- 追いかける味
- 消去法ではなく
- はじめひとくちと、後味
- 最初の客
- 豆の声を聴く
- 淡々と届ける
- 濃さ、薄さ
- 酸味と苦みのベクトルから離れて
- 生豆の銘柄ではなく調理の仕方で
- ブレンドのおもしろさ
- シティー・ローストに傾倒する
- あじわいを言葉にする
- 土地の味
第Ⅱ章ハンド・ローストしてみよう
準備するもの
ローストする生豆を決める
欠品豆を取り除く=ハンドピック
したごしらえ
心がまえ
ロースト・レシピ
教えて!ワニさん
- 豆が柔らかくなる?/なぜ豆をひねるのですか?/豆のひねり方
- ハゼってなに?/なぜハゼ時間を長く保つのですか?
- ハゼを終わらせるタイミング/1ハゼと2ハゼの間になぜ2分間休ませるのですか?
- 火の通りにくい豆、通りやすい豆/焼きムラってなんですか?
- なぜザルを使うのですか?/自分の好きな味を作るためのヒントをください
コーヒー豆が焼きあがったら
- いつ飲むのがおいしい?
- 豆の挽き方
- ペーパー・ドリップで淹れる
第Ⅲ章ハンド・ローストした豆をおいしく淹れよう
旨味と生命感を引き出す、ワニ式ドリップの手ほどき
- ドリッパーの形
- 湯の温度
- ドリップのポイント
- 湯の使い方
お湯使いのレッスン
ワニと相棒たち
あとがき そしてワニの旅はつづく
以上、3章、56項について説明されています。
本を読んで、焙煎したコーヒーを自分で淹れて飲む。そしてまた本読むとこれまた格別です。
触って感じて、ありそうでなかった独自の視点から焙煎(調理)を知ることで、初心者の方はもちろん、焙煎経験者にも新しい刺激や発見を与えてくれる、教本、というよりエッセイな一冊でした。
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