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コーヒーのロブスタ種について:アラビカ種だけじゃないもう一つのコーヒー

コーヒー知識
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ロブスタ種(カネフォラ種)は、アラビカ種と並ぶコーヒーの主要品種であり、その特徴や用途、さらには意外な魅力を持っています。本記事では、ロブスタ種の基礎知識、他の品種との違い、そしてその深い魅力について掘り下げてみます。

出典:世界のコーヒーリサーチ |ロブスタの歴史

植物の分類学上の正式な名称は「カネフォラ種」(Coffea canephora)。その代表的な品種グループである「ロブスタ種」が栽培されている同種のほとんどを占めていること、カネフォラ種の持つ特徴、つまり「耐久性(Robust)」を表していることから、カネフォラ種全体を指して「ロブスタ」という名称が広く使われるようになりました。この品種は主にアフリカを原産地とし、現在はブラジル、ベトナム、インドネシアなどの熱帯地域で栽培されています。ロブスタ種は全世界のコーヒー生産量の30~40%を占めており、アラビカ種に次ぐ規模です。

1. 耐病性と栽培のしやすさ

ロブスタ種は、アラビカ種に比べて病害虫に非常に強く、高温多湿な環境に適応しています。このため、低地や気温が高い地域でも栽培が可能で、生産者にとっては収穫の安定性が魅力です。

2. 高いカフェイン含有量

ロブスタ種のカフェイン含有量はアラビカ種の約2倍と言われています。この高いカフェイン量は、苦味を引き立てるとともに、病害虫を寄せ付けない自然な防御策として機能しているとされます。

3. 味わいの特徴

ロブスタ種の味は「苦味」が強調されることが特徴です。酸味が控えめでコクがあり、ナッツや土のような深い香りを持つことが多く、ブレンドコーヒーやエスプレッソのベースとしてよく使用されます。

1. インスタントコーヒー

ロブスタ種は、その苦味の強さと安価な生産コストから、インスタントコーヒーの主要な材料として利用されています。

2. エスプレッソやブレンド

エスプレッソのクレマ(泡)を形成する際にロブスタ種が用いられることが多いです。その強いボディ感が、アラビカ種とのブレンドに深みを与えます。

3. 特殊な商品

近年では「ファインロブスタ」と呼ばれる高品質のロブスタ種が注目を集めています。このプレミアムなロブスタ種は、繊細な風味を持ち、これまでの「ロブスタ=苦い」という固定観念を覆しています。

ロブスタ版スペシャルティコーヒー「ファインロブスタとは」

ファインロブスタはCQI(Coffee Quality Institute)基準の評価で80点以上に達したものとされ、ロブスタ種の中でも2%しか流通していないとされています。
一説によると、ベトナムの「FutureCoffeeFarm」が2019年ベトナム農家で初めてCQIで85点を取得したのがはじまりとされています。

特徴アラビカ種ロブスタ種
栽培地域高地(標高800~2,000m)低地(標高0~800m)
カフェイン量低め(1.2%~1.5)高い(2~3%)
味わい良いものは繊細で華やかな酸味穀物の香りと苦味がやや強い
価格高価安価
病害虫耐性弱い強い

アラビカ種はその繊細な味わいで高価格帯の市場をリードする一方、ロブスタ種はその耐久性とコストパフォーマンスの高さから、エスプレッソやインスタントコーヒーなどの量産用途に使われることが多いです。

気候変動が進む中、アラビカ種の栽培が困難になる地域が増える可能性があります。そのため、耐久性に優れたロブスタ種が今後さらに注目されると予測されています。また、品質向上への取り組みにより、ファインロブスタが新たな市場を開拓しつつあります。

ロブスタ種の魅力と課題

魅力

  • 栽培コストが低く、安定した収穫が可能。
  • 病害虫に強く、過酷な環境でも育つ生命力。
  • ブレンドで味わいのバリエーションを広げる役割。

課題

  • 苦味が強いため、単体では酸味や香りを重視するコーヒー愛好者には敬遠されがち。
  • 高級市場ではアラビカ種に比べ評価が低い場合がある。

ロブスタ種(カネフォラ種)は、その栽培のしやすさや高いカフェイン含有量から、コーヒー業界において欠かせない存在です。特にインスタントコーヒーやエスプレッソでの使用が多い一方で、近年では品質向上により新たな可能性を秘めています。ロブスタ種の深い苦味とコクをぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?

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